2010年12月17日金曜日



今日はボローニャの一般的な住居についてお話します。

まず、ボローニャの中心街にある住居はほとんどすべてがアパートで、庭付き一戸建てなんぞ見たことがありません。まあ当然といえば当然ですが。

以前住んでいたアパートは教会の裏にあり、もともとは修道女達が住んでいたそうです。そのため内部には宗教画が飾ってあったり、キリスト像が壁にひょっこりくっついていたりしました。


これが今僕達が住んでいるアパートの入口。
アーケードの歩道に沿って、両側を店に挟まれた場所に扉があります。

日本とは異なり、どのアパートも建物の入り口には必ずオートロックの扉があります。
集合ポストも建物の内側にあります(外にあると悪戯されるんでしょうね)。
なので郵便配達人が郵便を届けるには、まずどうにかしてオートロックの扉を開け、建物内部に入らなければなりません。

そのため、彼らは入り口にあるインターホンを片っ端から押しまくって、だれかに開けてもらっています。


さて、内部に入るとトンネルのように廊下や階段が続いています。上の写真のように、奥に中庭がある場合もあります。日本のように、建物の外側の階段や廊下というものはありません。電気は付いていないので昼でも薄暗く、夜は真っ暗で足元も見えません。

電気が付いていない?

いや、照明はあるのですが、普段は消えているのです。自分でスイッチを入れなければなりません。上の写真は照明が付いていますが、これは僕がスイッチを入れたからです。どこのアパートにも、廊下や階段、各玄関のそばに照明スイッチがあり、それを押して初めて廊下や階段の明かりがつきます。日本のように24時間付きっぱなしということはありません。


照明は自動で消えるようになっていて、スイッチを入れてからだいたい3分ぐらいで消えます。
ですから照明をつけるスイッチはあっても、消すスイッチはありません。運が悪いと、階段を上っている最中に突然真っ暗に…ということもよくあることです。日本だとこれでクレームがつくんでしょうね…


奥に歩いて行くと右側に中庭、左側に階段が見えてきます。


この階段を登って二階に行くと、左側に我が家の扉がみえてきます。


各部屋の扉も完全なオートロックです。これを開けて各家に入ります。このアパートの場合は防犯のために鉄格子の扉と木製の扉の二重扉になっています。


扉の横には呼び鈴が二つ付いています。これは家の中がさらに二世帯に分かれているためです。上側は僕達の、下は大家さんの呼び鈴です。


玄関の扉を開けて中に入ると廊下があります。さきほども書いたように、この家は二世帯が住める住宅なので、廊下の先にはそれぞれの世帯の玄関があります。この廊下は半共用スペースとでも呼べば良いでしょうか。この半共用スペースから、自分の住居に入るための扉も完全なオートロック。
この扉を開けて、ようやく完全にプライベートな空間に入ります。


上の写真の扉を開けると、こんな廊下があります。つきあたりの左右に扉があり、左側が大家さんの家、右側が僕達の家です。絵や本は当然すべて大家さんが置いたもの。すごい量ですね。


廊下の突き当たりの右側、ここが僕達の家の玄関です。ここにも呼び鈴のスイッチがあります。つまり、訪問者は最大で3つの呼び鈴を押すことになりますね。建物に入るときと、半共用スペースに入るとき、それぞれの家に入る時です。

この玄関の扉をあけて中を覗いた状態。また廊下です。突き当たりが寝室で、右側にはバスルームとリビングルームがあります。左側に見えているのは開けた状態の玄関の扉です。


玄関の扉のすぐ脇にはブレーカーとインターホン用の電話、一階の扉の鍵スイッチ、外の廊下の照明スイッチなどがあります。誰かが来たら、ここのスイッチで建物入り口の扉を開錠&廊下の照明をつけるという感じ。

壁にくっついている二枚の板みたいなもの、これはヒーターです。オイルヒーターかと思ったら中身は水でした。熱湯が流れていて、これで部屋を暖めます。たまに水漏れします。どのアパートでも廊下とトイレ、台所、その他各部屋には必ず置いてあります。

洗濯物などをこの上に置いておくとすごい勢いで乾いてくれるし、バスルーム内にあるヒーターにバスタオルを引っ掛けておくと、いつも暖かい状態でタオルを使うことができます。

このヒーターはアパート全体で管理されていて、各家庭、各部屋ごとにつけたり消したりすることはできません。熱湯の流量を調整する蛇口のようなものがついているだけです。11月~3月ぐらいの期間、毎日24時間ずっと熱湯を流してくれます。それ以外の時期で寒いときがあったら…それは我慢するしかありません。


これがブレーカー。日本のと比べるとだいぶコンパクトですね。


そしてこの謎の機械。加湿器? いいえ。


実はこれクーラーなんです。室内機と室外機があって、どちらも手軽に運べるようになっています。夏だけひっぱりだしてきて、使わないときは物置へいれておくことができます


ここは寝室。

寝室の窓下部分のアップ。
ここのクーラーはほとんど据え置き状態になっています。窓の下にあるのはヒーター。



これまた一般的なバスルーム。
我が家にはありませんが、普通はこの空間に洗濯機も置いてあります。
日本のようにトイレだけ部屋が独立していることはありません。必ずセットになっています。

一番奥にトイレとビデがあります。ビデはどの家庭にも必ずついています。あとヒーターも。



台所。シンクの下の空間はゴミ箱置き場と相場が決まっています。




台所の上にある棚、シンク上にある棚は食器置き場になっていて、底が網目になっています。
洗った食器をここに置くと、水分がそのままシンクに落ちていく仕掛け。
日本のようにむき出しになっておらず、収納棚と完全に同化しているのがいいですね。

完全に同化しているのは冷蔵庫も同じ。背の高い収納棚かとおもいきや、中身は冷蔵庫でした。収納棚の扉と冷蔵庫の扉を繋いでおく部品があり、収納棚の扉を開けると、中にある冷蔵庫の扉も一緒に開くようになっています。


これはガスコンロ。
日本のようにダイヤルをひねるだけで火がつくものと、そうでないものの二種類があって、これは後者です。右下に4つ並んでいるのがガスのダイヤルなんですが、その左側に小さいポッチがありますよね。この黒ポッチを強く押し込むと、押している間一定間隔でカチカチと放電する音が聞こえます。
これを押しながらガスのダイヤルを回すと火がつくのです。いくらダイヤルを回してもガスの音が聞こえるだけで火はつきません。ちなみにイタリアでもガスはタマネギの匂いでした。




テレビ。(なにやら変なのが映りこんでいませんがそこは気にしないように)

いまイタリアでは段階的に地上デジタル化を進めていて、州ごとに順番に切り替わっています。
ボローニャのあるエミリア・ロマーニャ州でも11月末からアナログ放送が完全に停止しました。
日本ではアナログ放送が停止したらみんなが混乱する!と心配されているようですが、
ここではそんな混乱は起こらず、「テレビが壊れたから見られなくなった」程度にしか考えていない人が多いのではないでしょうか。

そんなわけで、上の写真にあるのはデジタルチューナーです。大家さんが「最近テレビがうつらなくなってさ。これをつければまた見られるみたいなんだけど」と言ってつけてくれました。



これが家の鍵。
とにかくすべての扉がオートロックなので、一歩でも外に出るときには必ず持っていかなければなりません。というより、外に出るときにも鍵が必要(後述)なので忘れることはありませんが。


これらは、
道路から建物に入るための扉の鍵、
アパート共用部分から半共用部分に入るときの二重扉のうち、鉄格子の扉の鍵、
アパート共用部分から半共用部分に入るときの二重扉のうち、木製扉の鍵、
半共用部分から住居に入るときの鍵、です

鉄格子の扉だけは、内側から開けるのにも鍵が必要です(そうでないと鉄格子の間から手を突っ込んで開けられてしまう)

4つも鍵を開ける必要があるのでけっこう面倒。


ちなみにゴミ捨ては非常に楽です。
道のいたる所にゴミ用のコンテナが置いてあり、いつでも誰でも勝手に捨てられます。
コンテナに入るのならどんな大きさでも捨ててOK…だけではなく、入らないような大きなものでもコンテナ横に放置しておけば勝手に回収してくれます。以前冷蔵庫を買い換えたときに、古い冷蔵庫をコンテナ横においたのですが、コンテナのゴミと一緒に回収されていきました。
日本みたいに曜日によってどうのこうのとか、粗大ごみがどうたらとか、そういうややこしいことはありません。


この緑色の物はビン類用のゴミ箱。うえの口から瓶をガンガン投げ込みます。中でパリーン!パリーンと割れる音がしてちょっとしたストレス解消になります。


こうしたゴミは、毎晩(午前2時ぐらい)トラックが来て回収していきます。中身だけを荷台にジャラジャラ流し込むため、特にガラス用のゴミを回収しているときはすごい音をたてています。毎晩この時間になるとどこからともなくガラスのガシャガシャッという音が聞こえてきます。日本もわざわざ早朝に渋滞の中回収したりせずに、深夜回収すればいいと思うのですが…夜だと騒音で苦情が来るのでしょうか。

分類は、ビン類、紙類、それ以外の3種類。このあたりは地域によって異なります。

日本のゴミ捨ては面倒ですね…

0 件のコメント:

コメントを投稿